ジャスミン(英: Jasmine)は、モクセイ科ソケイ属(素馨属 Jasminum)の植物の総称。ソケイ属の植物は世界で約300種類が知られている。
アジアからアフリカの熱帯あるいは亜熱帯地方が原産である。ほとんどの種は白または黄色の花を咲かせる。いくつかの種では花は強い芳香を持ち、香水やジャスミン茶の原料として使用される。オウバイ(黄梅)もこれに含まれるが、香りはない。
漢名は茉莉(まつり、まり)。サンスクリットのマリカー (mallikā) が語源で、元来は茉莉花(まつりか、まりか)と言った。ただし、マツリカは現在の日本ではジャスミンの1種の和名になっているので注意。
主な香気成分は、ジャスモン酸メチルである。ジャスミンの花には幾つかの香気成分が含まれているが、その中でもジャスミンの香りを特徴付ける独特な香気成分であるcis-ジャスモンは、未だ工業的生産法は確立されておらず、自然の花から抽出し精製するしか方法が無いため、cis-ジャスモンを主原料とした香料は非常に高価である。それと比べ、工業的生産法が確立されているジャスモン酸メチル系の香料は、安価で入手可能で、香水やアロマオイルなどとして一般的に広く出回っている。
ほとんどの種が観賞用として栽培されている。 栽培の歴史は古くすでに古代エジプトですでに行なわれていたといわれている。 ジャスミン(ヤースミーン)という語はペルシャ語に由来し、中近東から欧米では女性の名前としても用いられる(ジャスミン (曖昧さ回避)参照)。
ソケイとマツリカの2種については香料原料として大規模な栽培が行なわれている。
ソケイは16世紀中ごろからフランスのグラースで香料原料として大規模に栽培されるようになった。 現在では主な産地はエジプトやモロッコ、インドなどに移っている。 花は夜間に開くので、開ききった明け方に人手により摘み取られ、有機溶媒による抽出が行なわれる。 抽出後、溶媒を除去するとコンクリートと呼ばれるワックス状の芳香を持つ固体が得られる。 これをエタノールで再度抽出し、エタノールを除去したものが、香料として使用されるジャスミン・アブソリュートである。 花約700kgからジャスミン・アブソリュート1kgが得られる。 ジャスミン・アブソリュートを使った香水としてはジャン・パトゥ社の『Joy』が著名である。
マツリカは中国南部、台湾、インドネシアなどで栽培されており、ジャスミン茶の着香に使用される。 マツリカも夜間に花が開くが、摘み取りはまだつぼみの状態の昼間のうちに行なわれる。 これを夜間に花が開き始めたところで、茶葉と混合して着香する。